診療設備・医療機器 ~内視鏡~

動物病院で内視鏡といえば、一般的に『胃カメラ』を指します。誤飲してしまった胃内異物を取る以外はほとんど活躍しないことも多いようです。しかしながら内視鏡は本来、多くの診療科で使用されます。

消化器科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、呼吸器科。。。そして内視鏡外科(腹腔鏡、胸腔鏡など)。

 

内視鏡は『胃カメラ』以外にも各診療科での設備が必要となるため、全てに対応できる一次診療施設は、全国的にも少ないのが現状です。こころ動物病院では、(現在のところ関節鏡以外での)獣医療領域で適用できる診療科で内視鏡を使用しています。

内視鏡は『軟性内視鏡』と『硬性鏡』に分かれます。

『軟性内視鏡』に分類されるものが『消化器内視鏡』や『気管支内視鏡』などです。

消化器内視鏡(消化器科)

いわゆる『胃カメラ』および『大腸カメラ』です。嘔吐や下痢が続く場合や吐血、血便時などにおいて、食道および胃や十二指腸、大腸内の観察、組織生検に使用します。また、飲み込んでしまった胃内の異物除去に使用します。当院では現在2種類のビデオスコープを使用しています。

消化器内視鏡処置具(消化器科)

組織生検やポリープの切除、飲み込んでしまった胃内の異物摘出に使用します。当院では生検鉗子をはじめ、高周波スネアによるポリペクトミー、様々な形状の異物にも対応できるよう数種類の摘出鉗子を取り揃えています。

気管支内視鏡(呼吸器科)

気管支鏡は、呼吸器疾患の診察や異物吸引時の異物摘出に使用します。組織生検や細胞診により詳細に検査することができます。また、呼吸器系の病原体の検出にも重要な検査です。当院では現在2種類のビデオスコープを使用しています。小型犬や猫には直径3.3mmの細径ビデオスコープを使用しています。

鼻咽頭内視鏡(耳鼻咽喉科)

鼻咽頭部の観察、処置には細径のビデオスコープを使用しています。異物が確認された場合には把持鉗子を用いて摘出したり、生検鉗子を用いて組織生検を行うことができます。

ビデオスコープ URF-V(OLYMPUS)他

 

『硬性鏡』は直線状のスコープです。『鼻腔鏡』や『ビデオオトスコープ(耳内視鏡)』、『腹腔鏡』などに使用されます。

鼻腔鏡(耳鼻咽喉科)

原因が特定できない慢性的な鼻汁やくしゃみ、鼻出血などの場合には、内視鏡により鼻腔内の確認が必要です。異物が確認された場合には把持鉗子を用いて摘出したり、生検鉗子を用いて組織生検を行うことができます。また、レーザーを使用して治療を行います。

尿道膀胱内視鏡(泌尿器科)

原因が特定できない難治性の膀胱炎や排尿困難、超音波検査等により膀胱の異常が確認された場合などには、内視鏡により膀胱内部の確認が必要です。硬性鏡や細径ビデオスコープを使用します。生検鉗子を用いて組織生検を行うことができます。

OES Pro Compact Cystoscope(OLYMPUS)他

ビデオオトスコープ(耳道内視鏡)

耳の内視鏡です。一般的な手持ち式の耳鏡ではできない外耳炎および中耳炎の診断や処置を行うことができます。また、半導体レーザーを使用して耳道内の腫瘍を摘出することができます。

カテゴリー~耳鼻咽喉科~を参照

 

内視鏡外科(腹腔鏡)

カテゴリー~腹腔鏡~を参照