お口の中は大丈夫?
お口の中をみてみると、
お恥ずかしながら3歳にして、もう歯石が付き始めていました。
早速、スケーリング(歯石取り)をすることにしました。
わんちゃんやネコちゃんのお口の中の処置は、基本的に全身麻酔下で行います。
わんちゃん、ネコちゃんにとっても全身麻酔の方が怖い思いをさせずに済みますし、
きちんとお口の隅々まできれいにすることができます。
また、歯周病にはしっかりとした歯科治療を行うことができます。
病気等で全身麻酔が難しい場合には無麻酔もしくは鎮静で行うこともできますが、
無麻酔でできるのは、あくまで予防的な歯石取りまで。。。
歯周病に対する歯科治療には全身麻酔が必要です。
処置の流れとしては、
歯科処置に対する恐怖や苦痛がないように全身麻酔。
洗浄液等を誤飲しない(気管に入らない)ように、安全のために気管挿管を行います。
場合によっては痛み止めや抗生剤、止血剤なども使用します。
超音波スケーラーで歯石を砕いて落とし、
研磨専用の機械を使って荒研磨剤で磨き、仕上げ剤でつるつるに磨きあげます。
この磨きの工程を行うことにより歯の軽度の着色や細かい歯石を取り除き、
表面の細かい傷をきれいにすることによって
歯石の再付着までの期間を長くすることができます。
仕上がりは。。。
幸い発見、処置が早く歯周病にはなっていないノエルはここで終わり。。。
一時間もかかりません。
これでもう臭くないね~
歯肉炎のある子にはさらに、
歯周ポケット(歯と歯肉の間)の中の歯石を専用の器具で除去し、
異常な歯肉を切除し、修復しやすい状態にします。
また、状況により抜歯処置等の処置が必要になります。
当院では歯石を取る一般的な超音波スケーラーだけでなく
歯科治療用の様々な器具や、
排唾吸引装置を備えた切削、研磨を行う歯科専用ユニットを設置しています。
お口の中のケアは、動物病院での歯科処置をすれば終わりではありません。
ご家庭でのデンタルケアが重要です!
ワンちゃんの歯垢(汚れ)は3-4日で歯石に変わると言われています。
そのため、最低でも3-4日に1回の歯磨きが重要です。
もちろんできれば毎日。。。
歯ブラシできることが一番ですが、できないからといって何もしないよりは
歯石用スプレー剤や酵素入りの歯磨きペーストなどをお口に塗ってみる、
舐めてもらうだけでも多少は効果があります。
ノエルにチョイスしたのは、酵素剤入りハミガキペーストのチキン風味。
とても気に入ってくれたようで、歯を磨くときにも舐めるのに必死です。
歯磨きペーストを見るといそいそと寄ってきます。。。
歯磨きが難しいようであれば、試してみてもよいかもしれませんね。
さて、進行した歯周病の怖さを少しお話しします。
重度の歯石付着の患者さんのお口です。
重症になると、歯の根っこにバイ菌の巣窟をつくり、
膿だまりができてしまうことがあります。
急にほっぺが腫れてきた、腫れたほっぺから膿が出てきたなどの症状を起こします。
また、歯周病により骨が溶け、歯がぐらぐらになってしまいます。
歯周病の怖いところは、歯の周囲だけではなく、
歯周病菌が心臓や肝臓などの内臓にも悪影響を及ぼします。
たかがお口、されどお口です。
歯周病は立派な病気。。。
歯の汚れや歯石の付着をとってきれいにすることだけが目的ではなく
病気にならないためにしっかりとした予防、歯科処置が必要です。
お口の臭い、くさくないですか?